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vol.4 最高裁とジェンダー・バランス

 去る10月9日、大阪弁護士会館で開かれたシンポジウム「女性の視点が変えていく〜最高裁判事を経験して」に行ってきました。登壇したのは櫻井龍子さん、鬼丸かおるさん、木内道祥さん、という3名の元最高裁判所判事です。戦後現在の裁判所制度となってから最高裁判事に任命された人の総数は183名。その内、女性はわずか7名。櫻井さんは3番目、鬼丸さんは5番目に任命された女性です。

   

 櫻井さんは労働省出身の行政官で、労働省在職中は育児休業法の制定に携わり、また、大阪府庁在籍時にはドーンセンターの開設にも関わられたそうです。ただ、このような行政官時代、婚姻前の旧姓藤井龍子を通称として使っておられたそうで、最高裁判事に任命されるにあたり通称使用が認められず櫻井龍子で報道され、知人から「名前が間違って報道されているよ。」と連絡があったエピソードを話されていました。

   

 鬼丸さんは若い頃に裁判官への任官志望を「女だから故に」断念した経験を語られ、また、シンポのコーディネーターから「最高裁に女性が入ることの意義は?」を問われ、「ずっと勝ち組であった男性裁判官にはない、弱者の視点が入ること」と答えておられました。

   

 櫻井さんや鬼丸さんらと同時期に最高裁判事を務められた大阪弁護士会所属の木内さんは、女性が一定数入ることの意義について「全員男性だとバイアスがあるかどうかさえわからない。だから、一種の制度的保障という意味がある」と言っておられました。

   

 夫婦同姓を強制する(つまり選択的夫婦別姓を認めない)民法の規定の合憲性が問われた裁判で、2015年12月、最高裁は合憲の大法廷判決を出しましたが、このとき、違憲の立場で個別意見を述べたのが、櫻井さんと鬼丸さん、岡部喜代子さんの3人の女性裁判官。それから木内さんと山浦善樹さんという弁護士出身の2人の男性裁判官でした。結論は10対5で違憲判断は少数で、合憲の判決で終わりました。ただ、違憲の個別意見に私たちは励まされましたし、光を見出しました。そして、3名しかいない女性裁判官の3名全員ともが違憲の立場を表明してくれたことは嬉しかった。

   

 現在、15名の最高裁判事のうち、女性はわずか2名。司法のトップのジェンダー・バランス、悪すぎです!           

   

弁護士 乘井弥生

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