知らないと恥ずかしい(?)ジェンダー  【弁護士 和田谷幸子】

2018.01.16

1 ジェンダーって?

恥ずかしながら、私は、学生時代、ジェンダーにあまり関心がありませんでした。ですが、昨年、ある理由から、ジェンダーについて真剣に向き合わなければならない事態に追い込まれ、手始めに加藤秀一さん著作の『知らないと恥ずかしいジェンダー入門』 ※1という本を手に取りました。

まず、同書では、ジェンダーの意味を、①性別そのもの、②自分の性別が何かという意識(性自認)、③社会的に作られた男女差(性差)、④社会的に作られた男女別の役割(性役割)と大きく4つに分けて定義しています。そして、ここでのポイントは、ジェンダーには、いずれの場合も「社会的」という意味が含まれているということです。要は、「性」や「性別」に関わる事象で、何かしら「社会的」なものを「ジェンダー」というわけです。

 

2 人は生まれた瞬間から規範に侵されている

私たちは、生まれた瞬間(今は、エコーで生まれる前から性別が分かりますが)、「男の子ですよ」、「女の子ですよ」と告げられ、男の子ならブルー、女の子ならピンクの洋服を着せてもらい、小学生になれば、男の子は黒やブルーのランドセル、女の子は赤やピンクのランドセル、といったように一般的に「男」か「女」かで区別されて育ちます。

また、たとえば、男の子は「強い」と言って褒められ、女の子は「かわいい」と評価されたりします。

そして、こういった幼い頃からの経験の積み重ねが、個人の生き方や思考に影響を与えないはずがありません。

 

3 「当たり前」を疑う

たしかに、男性は女性と比べ身長が高かったり、力が強かったり、こういった事実は、集団的・統計的に見れば、いわば正しい(事実)かもしれません。

ですが、上記のような男女での異なる取り扱いや、いまだ根強く残る「男は仕事、女は家庭」という考え方は、どうでしょう?

これらは、後発的に社会が作り出したものです。そして、ここでいう社会とは、おそらく男性中心の社会です(国会や経済界における男女比率を見れば、これまでルールや役割を作ってきたのは男性と言っても過言ではないでしょう)。

公正な社会づくりのためには、私たちが「当たり前」と思って受け入れてきたルールや規範を疑う目を養うことが必要です。ジェンダーを学ぶことは、既存の社会、制度を見直すうえで、たくさんの視点、ヒントを与えてくれます。

 

4 ジェンダーは社会を変える!?

たとえば、現在、離婚件数は増加していますが(※厚生労働省「2016年度人口動態統計」の年間推計によれば、婚姻件数62万1000組に対し離婚件数は21万7000組となっています)、離婚した夫婦に子どもがいる場合、母が親権者となるケースが全体の約8割を占めます。

しかし、母子家庭の貧困は深刻な状況で、母子家庭の貧困の背景には女性の貧困があります。

なぜ、女性は男性よりも貧困なのか? なぜ、女性は男性と比べ一般的に経済的・社会的劣位にあるのか? なぜ、DV被害者やセクシャルハラスメント被害者の多くは女性なのか?

いまさらながら、ジェンダーを学んでいくうち、女性が抱えるこういった問題は、結局、ジェンダーに集約できるように思いました。

そして、将来、人が性別に関係なく個人として尊重され、より生きやすい社会を目指して…本年も引き続き、レッツ、スタディ、ジェンダー♪

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

※1『知らないと恥ずかしいジェンダー入門』2006年朝日新聞出版

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