リレーエッセイNo.35                         30年後、電車内痴漢がいなくなる。                       -一般社団法人痴漢抑止活動センター 代表理事 松永 弥生

2019.01.24

■ 被害者も痴漢冤罪も、加害者も生まないアイデア

 

社会の意識を変えれば、電車内の痴漢はいなくなる。私は、そう信じて痴漢抑止活動を行っています。

首都圏では女性専用車両は朝のラッシュ時だけしかありません。都内在住のある女子高校生は、下校時の痴漢を防げず週3〜4回、被害に遭っていました。

彼女は、警察に相談し指導を受け、自宅で毎晩「やめてください!」と声を出す練習までして、ようやく加害者を捕まえました。

痴漢に毅然とした態度を取れるようになった彼女は「二度と痴漢に遭いたくない」と考え、母親に頼み「痴漢は犯罪です。私達は泣き寝入りしません」の文言を書いたカードを作ってもらい、通学バッグにつけました。

そして、その日からはピタリと痴漢に遭わなくなったのです。

加害者は、子どもだから何をしても自分が優位的な立場にあると勘違いをし、わいせつ行為をするのでしょう。

けれど、手作りのカードには「この子を守る保護者がいる」と加害者に気づかせる力がありました。自分の一方的な暴力でねじ伏せられる相手ではないと考えたから、痴漢行為を止めたのだと思います。

加害者が痴漢行為を止めれば、被害者も生まれず、痴漢冤罪の懸念もありません。加害者も犯罪を犯さずにすめばその方がよいに決まっています。彼女のアイデアは、誰も傷つけない解決策です。

私はこのアイデアをバッジにして、彼女と同じように痴漢被害に遭っている人たちに使ってほしいと思い、痴漢抑止活動センターを立ち上げました。

URL:http://scb.jpn.org

 

■ デザイン教育で30年後の社会を変える

 

電車内痴漢犯罪は周囲に大勢の大人がいる中で発生する特異な性犯罪です。加害者と被害者の問題と捉え、大人が傍観者の立場をとり続けている限り解決しません。

これまで、10代が大人とともに性犯罪抑止を考える機会は多くありませんでした。そこで私達は「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」を教育ツールと捉え、積極的に学校と連携し活動を広げてきました。

社会運動は課題に無関心な人の参加を促すのが難しいため、「将来デザイナーを志す学生が、同世代のためにバッジをデザインする」という仕組み作りをしたのです。

世の中のあらゆるモノは、デザイナーが必ず関わっています。性犯罪抑止デザインを考えジェンダー問題に関心をもったデザイナーが世の中に増えれば、社会を構成するデザインの質が変化するでしょう。

そしてデザインの審査にも、中学・高校の先生方にご協力いただき中高校生が参加しています。バッジデザインの検討を通じて、痴漢問題について先生と生徒が一緒に考え話し合う機会があれば、何かあったときに相談や報告が今よりもしやすくなるでしょう。

バッジデザインコンテストは今年で4回目を迎え、これまでにデザイン応募や審査に4800人以上が参加しています。

彼らが社会の中心となって活躍する時には、痴漢だけにとどまらず、世の中の性犯罪、性差別に対する意識が大きく変化する。私はそう期待しています。

 

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