スマートフォン・SNSの危険性 〜知らないうちに子どもが危険にさらされている  【弁護士 髙坂明奈】

2020.02.18

SNSから始まる子どもの性暴力被害

私は、性暴力救援センター大阪(SACHICO)が立ち上がった当初からSACHICOの協力弁護士としてSACHICOに依頼がある法律相談を受けている。その中で感じることは、ここ数年、SNSが発端となった未成年者の性暴力被害が増えているということだ。
警察庁生活安全局少年課「平成30年におけるSNSに起因する被害児童の現状」を見ると、平成24年に1076件であったSNSに起因する被害件数は、平成30年には1811件となっている。また、児童ポルノの検挙数は、平成21年が650件であるのに対し、平成30年は2315件と大幅に増加しており、この原因がカメラ機能のついたスマートフォンの普及及び未成年者のSNS等の利用にあることは明らかである。
児童ポルノ事件の被害態様別割合は、児童が自らを撮影した画像に伴う被害が42%であり、私自身が相談を受けた事件でも、SNSで親しくなった女性が実は男性で、言葉巧みに誘導されて自分の裸の写真や動画を送信してしまったケースや、動画投稿サイトに動画を投稿していたところ、おだてられ、局部のアップなどわいせつな写真を送信してしまったケース、交際相手に裸の写真を送って欲しいと言われ、別れた後にインスタグラムやグループLINEなどで拡散されてしまったケースなどがある。

欠かせない、家庭での話し合い

スマートフォンを「携帯電話」(いわゆるガラケー)と同じに考えて、未成年者への注意喚起無しに、所持させてしまう親も多いのではないだろうか。私自身は、中学生の頃にポケベルや小型の携帯電話が流行り、高校生の頃は多くの同級生がPHSを所持していたという世代で、10代の半ばにはすでに個人の携帯電話(またはPHS)を所持していた。しかし、それは今の子ども達が有するスマートフォンとは異なる。当時の携帯電話でできることは友人とのショートメールと通話であり、不特定の人とやり取りをし、繋がりをもつことは容易にはできなかった。
スマートフォンは、パソコン以上に多くの個人情報が入っているツールであり、携帯電話とは別に考える必要がある。カメラがあり、撮影した画像には位置情報が付き、パソコンよりも簡単に高速にインターネットに接続でき、瞬時に動画や画像を送信することができる。
このようなツールを子どもに与える際には、家族で話し合うなどし、その危険性を伝えることが必要で、家庭内でルール(勝手にアプリをダウンロードしない、個人を特定する情報を書かない、知らない人とはやり取りしないなど)を決め、困ったことがあれば必ず保護者に相談をするようにするべきだと思う。また、フィルタリング(携帯会社が提供する有害情報をブロックするサービス)を利用することも危険防止策の一つだ。SNSによる性被害にあった児童のうち約9割が被害時にはフィルタリングを利用していなかったことが判明している。
さらに、子らがスマートフォンを利用してどんなことをしているのかを家庭でのコミュニケーションの中で把握することも重要ではないだろうか。被害児童数が多いアプリは上から順にTwitter、ひま部、LINEなどである。ひま部は、建前上は学生のみが登録できるサービスとなっており、利用したことがある親はいないと思う。しかし、実際のところは大人も簡単に登録ができる仕組みになっており、56歳の男性が利用し、知り合った中学生に性的暴行を加えた事件が2018年に発生している。
このサービスは、昨年12月にサービスが終了しているが、サービスの提供会社は後継サービスの提供を予定しており、今後も同様の不特定多数の同世代でつながる系のサービスは出てくるであろう。警察庁のホームページでは、小中高生向きのインターネット犯罪に関するリーフレットなどを見ることができるので、スマートフォンの使い方について考えていただく機会をもってもらえればと思う。

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