広めたい韓国ドキュメンタリー映画「塩花の木々 希望のバスにのる」  弁護士 有村 とく子

2013.01.03

【150日以上の「高空龍城」に韓国全土から連帯行動

韓国釜山にある造船会社「韓道(ハンジン)重工業」では、10年以上にわたり整理解雇が行われていました。解雇通告を受けた労働者は解雇撤回を求めて戦い続けましたが、会社側は労働者の要求に応えようとせず、自殺者は二十数名に上ったといいます。

2010年末から2011年にかけて、この会社はまたもや経営悪化を理由とする400名もの労働者の希望退職を募りました。2011年1月6日、女性溶接工キム・ジンスクさんは、事業所にある高さ35メートルのクレーンに登り、そのまま立てこもりました。400名の労働者の整理解雇撤回を社会にアピールするためです。しかし、当初は報道もされず会社は整理解雇をし続けました。孤独な闘いを続ける彼女の叫びは、ツイッター等を通じて多くの人々に伝わり、支援の輪が広がって行きました。

「高空籠城」が150日以上に及ぶ頃、整理解雇と非正規職のない社会をめざす『希望のバス』と呼ばれる連帯行動が取り組まれ、韓国全土から市民が籠城現場へ応援に駆けつけました。この連帯行動は第5次まで続き、労働運動と社会運動が結びついた大きなうねりとなっていきます。そして、2011年11月10日、会社からの暫定合意案が労働組合で可決され、キム・ジンスクさんは、309日ぶりに、生きてクレーンから降りて来ることができました。この様子を日韓連帯メディアThe Ful代表の女性監督オ・ソヨンさんがまさに身体を張って追い、ドキュメンタリー映画を完成させました。その名が「塩花の木々 希望のバスに乗る」です。

【「希望の反対は無関心です。」】

この映画の中で強く私の心に響いたのは、キム・ジンスクさんの「世紀を越え、地域を超え、業種を越え、子々孫々続く資本の連帯はこんなに強固なのに、私たちはどれほど連帯しているのでしょうか。私たちの連帯はどれほど強固でしょうか。非正規職を、障害者を、農民を、女性を無視しては、私たちは資本に勝てません。いくら恐ろしく、いくらくやしくても、私たちはたった一日も彼らに勝てません。彼らがまともに勝つのではなく、私たちが連帯できずにやられているのです。」という言葉と、オ・ソヨン監督の「希望の反対は無関心です。」という言葉でした。

日本でも、今や若者の半数、女性の半数以上は非正規職で低賃金の不安定雇用のもとで、経済的に厳しい生活を余儀なくされています。今の威しい状況をなんとか良い方向に変えたいと思うとき、それをどのように表現してゆけば良いのか、私たちが広く「連帯する」とはどういうことなのか、それらを考える上でのヒントがこの映画にはたくさん詰まっています。大阪から韓国へ飛び、現地で「希望のバス」に乗ってキム・ジンスクさんを応援しに行かれた労働組合「なかまユニオン」では、この映画の個人視聴用DVDを販売されています。多くの方々にご覧いただきたいと思います。
問い合わせ先:なかまユニオン 06-6242-8130

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