共同監護ってどんな感じ? 弁護士 乘井 弥生

2012.01.30

【子どもと過ごす時間も折半】

5年程前に話題になった映画で「イカとクジラ」というのがあります(ノア・パームバック監督)。地味な映画で知らない方もおられると思うのでざっと紹介するとこんなお話。

舞台は1986年のNYブルックリン。バークマン家は危機に瀕していた。夫のバーナードは元売れっ子作家だが、今は長期スランプでどうにか講師で食いつなぐ。他方、妻ジョーンは有名誌でのデビューを控えた新進の作家。その2人がある日突然離婚を宣言。16歳と12歳の息子2人は、両親が「共同監護」をすることになり、飼い猫と共に1週間のうちの半分ずつ、つまり曜日ごとに父と母の家を行ったり来たりのややこしい生活をはじめる‥‥‥と、そんなお話なんです。

ただでさえ思春期で難しい年頃の息子達が心穏やかなはずはなく、兄は盗作で学校から指導を受け、弟は子どもなのにビールを飲んでストレスを紛らせる。他方、離婚後、大人はというと、父親は教え子と同棲を始め、母親も子どもが居ない夜は恋人と過ごし、予定された曜日以外に子どもが訪れると「今日はパパの日なのよ」と快く迎えてはくれない。自分の欲望が第一で子どもの葛藤に気づかない親たち。問題が起これば責任の擦りあい。「養育費を払いたくないから共同監護(Joint Custody)にすると言ったんでしょう」と母親が父親に言う場面もあります。

2人とも子どもを愛しているからと、子どもと過ごす時間を「平等」に折半したバーナードとジョーン。「共同監護」のいろんな側面がシリアスに、でも、コミカルに描かれています。

 

【日本でも今後、議論されるテーマに】

さて、日本では未成年の子をもつ夫婦が離婚するとき、父親、母親どちらの親が子どもの親権者になるかを決めることになっています(単独親権)が、この現行法に対して、離婚後も婚姻中と同じく、共同親権・共同監護の原則に変えていくべきだとの議論が盛んになされています。

昨年6月3日「民法の一部を改正する法律」が成立しましたが、この法律可決にあたってなされた附帯決議で、6項「親権制度については、今日の家族を取り巻く状況、本法施行後の状況等を踏まえ、協議離婚制度の在り方、親権の一部制限制度の創設や懲戒権の在り方、離婚後の共同親権・共同監護の可能性を含め、その在り方全般について検討すること。」
というのが挙げられています。今後、議論を深めるべきテーマであることは間違いなさそうです。

さて、映画に戻ると……。終盤、ケージに入れられ、2つの家を行ったり来たりさせられる猫が、ブイと外に飛び出し行方不明になる場面があります。落ち着き場所のない猫は、嫌気がさしちゃったのかもしれませんね。

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