この夏も「ナヌムの家」へ行ってきます 神戸女学院教授 石川 康宏

2006.08.11

2004年2月はじめてソウルヘ行った時、地下鉄の中で小柄なおじいさんに体当たりをされました。「日本人がどうしてここにいるんだ」と言っていたそうです。同じ年の9月、今度はホテルのロビーで怒鳴られました。「ここで日本語をしゃべるな」と。

おじいさんたちの憤りには理由があります。子どもの頃、日本人に土地をうばわれ、日本人がつくった小学校(国民学校)で日本語や宮城遥拝や御真影(天皇の写真)への最敬礼を強要され、殴られ、名前を日本名にかえさせられ……ともかく人としての尊厳をまるごと奪い取る「皇民化」を強要された体験をもっているのですから。

私は2004年4月から、大学で日本軍「慰安婦」問題を学生といっしょに学んできました。かつて「慰安婦」を強制されたおばあさんたちが暮らす「ナヌムの家」にも行ってきました。おばあさんのつらい体験を直接聞きました。「まだ10代なかばだったのに」「日本軍につれていかれて犯された」「抵抗すると刀で切られた」「戦後の生活も大変だった」。ある人は激しい口調で、ある人はうつむいて静かに。「悪かったのは昔の兵隊だ」「でも若い人も問題を解決しない今の日本政府をつくっていることには責任がある」「アジアの平和のために手をつないでほしい」。

「ナヌムの家」には「日本軍『慰安婦』歴史館」が併設されています。日本軍が兵隊たちに配ったコンドームや、「慰安所」で使われた金だらいの現物があります。再現された「慰安所」の前で、倒れてしまった学生もいます。ここで学んだ学生たちは、混乱しながらも考えます。「勉強したことは本当に本当のことだったんだ」「私のおばあさんと同じくらいの歳なのに」「昔のことじゃなかったんだ」「私は何をしたらいいんだろう」。

翌日にはソウルの日本大使館前で、おばあさんたちと水曜集会に参加します。700回以上もつづく日本政府への抗議の集会です。大使館を警備するものものしい警官隊の姿に驚きながらも、学生たちは発言します。「私たちはもう20歳です」「日本の政治に責任があります」「日本へ帰ってこの事実を伝えていきます」「つないだおばあさんの手はとてもちっちゃかった」「こんな小さな若い女性にたくさんの兵隊がのしかかったと思うと……」。

ゼミではこれまで2冊の本をつくってきました。『ハルモニからの宿題』(冬弓舎、2005年)と『「慰安婦」と出会った女子大生たち』(新日本出版社、2006年)です。「お嬢様」ともいわれる学生たちが、歴史の事実を学び、行動の仕方を知ったときにどれほど大きなエネルギーを発揮するか、そのことが実感できる本になっていると思います。

今年も9月11日から14日まで韓国へ行ってきます。12日には「ナヌムの家」に宿泊し、13日には水曜集会に参加の予定です。また7月1日には早稲田の「女たちの戦争と平和資料館」を訪れ、翌2日には靖国神社を見学します。韓国訪問の旅行には、毎年数名、学外の方が同行してくれています。人数には限りがありますが「行ってみたい」と思われる方があれば、石川までメールをください(yisikawa@mai1.kobe-c.ac.jp)。もちろん男性の方もOKです。、2006年6月4日記)
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