パパクォータ制は平等を進める機関車 ノルウェー調査旅行に参加して 弁護士 乘井 弥生

2005.01.30

2004年秋、事務所の雪田さんが調査旅行に行くというので私もくっついて行ってきました。目的地はノルウェー。女性の社会進出が最も進んでいるといわれている国です。旅行を計画していた夏頃、女性の社会進出度を示す国連の指標GEM(ジェンダー・エンパワーメント・メジャー)の04年版結果が報道されていて、ノルウェーは昨年に引き続き1位。自ずと興味がそそられます。

ノルウェーの平等政策には、差別にどっぷり漬かった日本では発想しにくい面白い政策がたくさんあります。その一つが「パパクォータ」制です。この国の育児休業制度は充実していて、42週を取る場合には100%、52週(約1年)を取る場合でも80%の給与が国から保障されます。「パパクォータ」制とは、このような育児休業のうち最低4週間は、母親ではなく父親が「取得しなければならない」というもので、仮に父親が取らない場合、4週間の権利は剥奪されてしまいます。

93年に「パパクォータ」制が導入され、取得率は年々増加し、最新の統計では85%の男性が育児休業を取っています(男女共に法律上取得できるはずなのに、男性の取得率が1%にも満たない日本とは大違い!)。

訪問した男女平等センターのスタッフは、この「パパクォータ」制について「平等を進める機関車」のようなものだと評し、そして、「カップルが子どもを産もうと決めた時点で、2人の間に責任の違いがあってはならないこと」を力説していました。そして、育児の最初の時期に父親が赤ちゃんをみるという経験をすることが、その後の父親と子どもの関係を築くという意味で大事であり、さらに、家の中に子どもをみることができるパートナーがいるということは、女性が安心して社会参加をする基盤になるという意味で二重に重要であると、この政策の目的を説明してくれました。

また、「法による強制という形を取ることで、育休を取りたいと言い出せない気の弱い男性が取りやすくなったんですよ」と微笑んで話されたのが印象的でした。そして、今、男女平等センターでは、将来的に1年の育児休業のうち4ヶ月を母、4ヶ月を父、残り4ヶ月をどちらが取るかカップルが選択するというシステムを提案しているとのことでした。

経済活動も社会活動も、そして家事育児といった活動も、性別にとらわれず、すべての人間が関わることを国の政策の中心に位置づけている国。久しぶりに「まっとうなもの」を見ることができて、とても嬉しかったです。

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