これまで弁護士に事件を依頼したことがある方、調停や訴訟を経験したことがある方というのは多くはありません。皆さん、弁護士に相談や依頼をされる時には、解決までにどれくらい時間がかかるのか、どのような手続を経る必要があるのかなど、不安を感じると思います。そこで、よくあるケースについて、相談を経て、弁護士に事件をご依頼いただいた場合、およそどれくらいの時間がかかり、どのような手続を経て解決に至るのかについて、以下では解説させていただきたいと思います。時間については、あくまで目安ですので、案件によっては差があります。より詳しく知られたい方は、一度、ご相談いただき、弁護士に質問していただければと思います。また、ケースについては個人が特定されないよう抽象化しておりますので、
実際のケースとは事情を変えている点があります。
実際のケースとは事情を変えている点があります。

ケース1 協議離婚が成立したケース
ご依頼内容
夫とは、長年にわたって不仲です。小学生と中学生の子どもが二人いますので、養育費を取り決める必要があります。また、財産としては、不動産(ローン残高約1500万円、時価約3000万円)、子らの学資保険、預貯金が600万円程度あります。慰謝料を請求することは考えていません。
夫は、離婚について同意しており、養育費についても二人で合意ができているのですが、財産分与については、金額の折り合いがつかず話し合いが進みません。
夫は、離婚について同意しており、養育費についても二人で合意ができているのですが、財産分与については、金額の折り合いがつかず話し合いが進みません。
ご依頼から解決までの日数
およそ3か月
解決までの流れ
- Step01
- 相談
- Step02
- ご依頼・離婚交渉事件として受任
- Step03
- 相手方夫へ受任通知の送付
- Step04
- 夫と交渉を開始
- Step05
- 財産分与の金額について同意が得られたため、合意書の作成を行う
- Step06
- 公証役場の予約を行う
- Step07
- 公証役場にて公正証書作成
- Step08
- 終了
弁護士からのコメント
相手方が離婚に関する書籍を読んでいたり、弁護士に相談をするなどしており、財産分与に関する理解があれば、話し合いがスムーズに進むことがあります。交渉の中で、財産目録などを作成し、分与対象となる財産の内容を明らかにし、分与相当額について、相手方の同意を得るようにします。不動産について、売却して清算することを希望される場合は、不動産業者と連携を取り、交渉の中で売却手続を進めることもあります。
ケース2 調停離婚が成立したケース
ご依頼内容
子どもがまだ未就学児で、共働きですが、夫の育児や家事の協力がなく、ワンオペ育児の状態です。疲弊する日々でしたが、子どもが幼いので、離婚までは考えていませんでした。しかし、先日、夫の浮気が発覚しました。夫に浮気の事実を問い詰めると、あっさり認め、離婚すると言われました。
しかし、給与が少ないので、養育費は毎月2万円しか支払えない、私が冷たかったので浮気をした、私にも悪いところがあるので、慰謝料は支払わないと言われました。日に日に、夫の態度は酷くなり、「家を出ていけ」と言われたので、先日自宅を出ました。どうしたらいいのでしょうか。
しかし、給与が少ないので、養育費は毎月2万円しか支払えない、私が冷たかったので浮気をした、私にも悪いところがあるので、慰謝料は支払わないと言われました。日に日に、夫の態度は酷くなり、「家を出ていけ」と言われたので、先日自宅を出ました。どうしたらいいのでしょうか。
ご依頼から解決までの日数
およそ8か月
解決までの流れ
- Step01
- 相談
- Step02
- ご依頼・婚姻費用分担請求調停事件として受任
- Step03
- 依頼者様と調停の申立てに関する打合せ(収入関連の資料をご準備いただく)
- Step04
- 家庭裁判所に調停の申立て
- Step05
- 第一回調停期日
- Step06
- 相手方に代理人が就任・相手方より離婚調停の申立て(離婚調停事件についても追加で受任)
- Step07
- 依頼者様と離婚条件の打合せ
- Step08
- 第二回調停期日
- Step09
- 調停の準備のため、適宜打合せ
- Step10
- 第三回調停期日
- Step11
- 調停の準備のため、適宜打合せ
- Step12
- 第四回調停期日
- Step13
- 調停成立
- Step14
- 終了
弁護士からのコメント
相手方の脅迫行為や一方的な態度で別居を開始してしまう方は少なくありません。そのような場合で、依頼者の方が「私も離婚をしたい」と、離婚の意思があれば、離婚調停事件を受任するのですが、特に相手に浮気があるような事例では相手の言うままに離婚をしたくないと思う方も多いようです。そのような場合でも、別居が開始し、相手方から生活費がもらえていなければ、生活が困窮し、困ることになります。
そこで、上記のケースでは、まず、婚姻費用分担請求調停を申立てることになりました。相手方は、生活費を支払うことが惜しいと考えたのか、第一回調停期日の後に、弁護士に依頼をし、離婚調停の申立てをしてきました。相手方が提示してきた離婚条件は到底応じることができないものでしたので、依頼者様と打ち合わせをし、当方が希望する離婚条件を次の調停期日で明らかにしました。
その後、離婚条件が争点となり、調停が進み、最終的には、相当額の養育費と慰謝料が支払われることとなり、依頼者様が納得される形で調停が成立しました。
そこで、上記のケースでは、まず、婚姻費用分担請求調停を申立てることになりました。相手方は、生活費を支払うことが惜しいと考えたのか、第一回調停期日の後に、弁護士に依頼をし、離婚調停の申立てをしてきました。相手方が提示してきた離婚条件は到底応じることができないものでしたので、依頼者様と打ち合わせをし、当方が希望する離婚条件を次の調停期日で明らかにしました。
その後、離婚条件が争点となり、調停が進み、最終的には、相当額の養育費と慰謝料が支払われることとなり、依頼者様が納得される形で調停が成立しました。