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2022年04月12日
弁護士コラム

vol.25 「性的姿態の撮影に対する処罰を」

vol.25 「性的姿態の撮影に対する処罰を」

最近、盗撮やデジタル性暴力の相談が増えています。

 

電車内など公共の場での盗撮、学校内での盗撮、職場内での盗撮、別れた後も保有されている恋人や夫婦だった時に撮影された性的画像の所持や拡散・その脅し、性暴力の被害時に撮影されていた写真や動画の所持、出演強要されたAV、契約違反のAVの拡散などです。

 

誰もがスマホを使って写真や動画を簡単に撮影できるようになった現代社会特有の女性に対する暴力であり、重大な人権侵害です。

 

国連は2014年にオンライン上の女性の人権への懸念を示し、2018年にはオンラインによる女性や女児に対する暴力の防止・保護・加害者の訴追と処罰・被害救済・賠償・法律や政策の策定を加盟国に提言しました。インターネット事業者の企業責任についても言及しています。

 

また、欧州評議会や諸外国では、盗撮だけではなく、性的性質を有する写真の撮影に同意があった場合でも、その開示や流布に同意がない場合に刑罰を科したり、インターネット事業者にも責任を課す立法が導入されつつあります。

 

この日本では、軽犯罪法や各都道府県の迷惑防止条例で盗撮の一部、いわゆるリベンジポルノ法で限定的な処罰規定はありますが、デジタル性暴力全般に対する法規制は構築されていません。いま、性犯罪に関する法制審議会で「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」が議論されています。国際人権NGOヒューマンライツ・ナウとして発表した提言(https://hrn.or.jp/news/21417/)の実現を願っています。

 

弁護士 雪田樹理

 

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