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2024年05月13日
新着情報弁護士コラム

vol.38 「虎に翼」、ご覧になってますか?

今期のNHKの朝ドラ「虎に翼」、みなさま、ご覧になっていますか。私は、普段は、ドラマはあまり見ないのですが、「虎に翼」は全部見ています(毎日は見られないので、録画して)。

このドラマは、女性として、初めて弁護士に、そして裁判官になった三淵嘉子さんがモデルですので、興味を持って見始めたのですが、私は、主人公の寅子はじめ登場人物の女性達が、怒りや疑問を隠さないところがとても好きになって、ずっと見ています。

女性だからという理由で、例えば進学や就職、就職してからの扱われ方等、理不尽さを感じる場面は、みなが経験していると思いますが、そういったとき、私達は、「望まれる女性像」をモデルに、「わきまえた振る舞い」を取らざるを得ないことが多いです。それは1つの処世術ですし、いちいち怒っていたら身が持たないし実益もないので、仕方がありません。

でも、本当は、いつも怒りたいし、世間に対して「なぜ」と問いかけたい。そういった怒りや疑問を、寅子は隠しません。「はて?」と首を傾げ、疑問を言葉にしていきます。感じよく振舞って、権力者の助力を得るということもしません。

宴席で、男性たちが立ち上がってはしゃいでいるのに、女性はみな座って「すん」としているとか、大学に女子トイレがほとんど無いとか、生理痛の辛さとか、生き方の異なる女性との何とも言いようのない距離感とか、脚本も本当に良く考えられていると思います。脚本の吉田恵里香さんは、これまでにも、ジェンダーの問題に正面から取り組んだ作品をいくつも手掛けておられますので、今後も要チェックです。

 

5月の第2週に、寅子は高等試験(司法試験)に合格しました。その祝賀会での彼女の以下のスピーチにも心を打たれました(一部を抜粋します)。合格の瞬間にも、彼女はちゃんと怒っています。

「この場に私が立っているのは私が死ぬほど努力を重ねたから。でも、高等試験に合格しただけで自分が女性の中で一番なんて、口がさけても言えません。志半ばであきらめた友。そもそも学ぶことができなかった、その選択肢があることすら知らなかったご婦人方がいることを私は知っているのですから。でも今、合格してからずっとモヤモヤとしていたものの答えが分かりました。私達、すごく怒っているんです。」

「法改正がなされても結局、女は不利なまま。女は弁護士にはなれても裁判官や検事にはなれない。男性と同じ試験を受けているのにですよ?女ってだけで、できないことばっかり。まあそもそもがおかしいんですよ。もともとの法律が私たちを虐げているのですから。生い立ちや、信念や、格好で切り捨てられたりしない。男か女かでふるいにかけられない社会になることを、私は心から願います。」

主演の伊藤沙莉さんの演技も説得力があり、見ていて心地いいです。

 

おまけに、米津玄師さんの主題歌「さよーならまたいつか!」もいいです。ドラマで流れる部分に「土砂降りでも構わず飛んでいく その力が欲しかった」「瞬け羽を広げ 気儘に飛べ どこまでもゆけ 100年先も憶えてるかな 知らねえけれど さよーならまたいつか!」という歌詞があり、ドラマでは流れない部分に「人が宣う地獄の先ににこそ わたしは春を見る」「今羽を広げ 気儘に飛べ どこまでもゆけ 生まれた日からわたしでいたんだ 知らなかっただろ さよーならまたいつか!」という歌詞があります。

1933(昭和8)年5月に弁護士法が改正され、1936(昭和11)年4月の施行から、女性も弁護士になれるようになりました。寅子が今の私達を見たらどう思うのか、私達が100年後の女性達を見たらどう思うのか。

そういったことを考えるとき、例えば、日々の事件の中でも、女性だから受ける不利益を目の当たりにしますし、今の大学生の女性に話をうかがうと、30年前の私と同じように、受験や就職に苦労なさっていて、いつも、私は、このまま何も変わらないのではないかと暗くなってしまうのですが、このドラマは、そのような私にも勇気をくれます。

 

弁護士 角崎恭子

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