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2007年01月30日
性被害・セクハラ裁判事例
乘井 弥生

理不尽な事実を明らかにして被害者の救済へ「アイフル・セクハラ事件」 弁護士 乘井 弥生

【加害者を守る姿勢がありありと】

ワンちゃんのCMでおなじみの消費者金融アイフルを相手としたセクハラ訴訟を紹介します。

依頼者Xさんは同社のコンタクトセンターで電話による回収業務をするパート社員でした。Xさんは仕事中、上司Yより肩、髪などを頻繁に撫でられ、嫌な思いをしながらも我慢していました。Yは約200名の部下をもつ課長です。Yは係ごとに「食事会」と称する懇親名目の飲み会を数ヶ月に1度開催していましたが、そこで、Xさんに対し、股や太ももあたりを撫で回したり、自分の足をXさんの足に乗せようとしたり、「単身赴任は寂しいものよ」、「家で待っている愛人が欲しい」などと耳元で言うセクハラ行為をします。

Xさんは平成16年6月に開かれた食事会では、上司を怒らせないように「奥さんに言いますよ」といった婉曲な表現でYの行為を制止します。しかし、同年11月の食事会でまたもYが同様の行為を続けるため我慢の糸が切れ、思わず「このエロ親父!」と怒りを声にし、手を強く払いのけました。

そして、その出来事以来、YはXさんに嫌がらせを始め、退職を示唆する言動をおこない、そして、Xさんは不眠、神経過敏、抑うつ気分などを症状が出て出社できなくなるのです。Xさんのセクハラ被害の訴えに対し会社は「課長はやっていないと言っているから・・・。君の勘違いじゃないの。」といった無責任な対応に終始します。パート社員よりも課長を守る姿勢はありありとしていました。

平成17年2月、事務所に初めて相談に来られたときのXさんは、加害者に対してはもちろんのこと、被害申告をまともにとりあおうとしなかった会社に対する怒りと絶望感で一杯の状態でした。

 

【「社会から守られていることを感じることができた」】

平成17年4月、京都地裁にアイフルと課長を相手に提訴し、平成18年4月判決が出ました(「労働判例№920」掲載、同事件はその後双方控訴しますが和解で解決)。

判決は、課長がおこなった「食事会」でのセクハラ行為を認定し(訴えていたセクハラ行為の一部)、慰謝料として110万円の支払いを命じ(課長と会社の連帯責任)、加えて、会社に対して、Xさんが仕事に行けなくなってから平成18年1月までの約14ヶ月分の給料支払を命じました。

後日談ですが、依頼者のXさんは私に「課長が反対尋問を受ける姿を見て、自分が社会から守られていることを感じることができた」と言ってくれました。判決結果そのものよりも、裁判の過程で、企業の中でうやむやにされかかった理不尽な事実を明らかにすることが、被害者の救済に繋がることを実感したケースでした。

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