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2007年07月30日
事務所関連

依頼者とともに歩み、出口を探していきたい 弁護士 氏本 文恵

【相談者の冷静さと覚悟に接して】

はじめまして、氏本文恵です、2007年7月から女性共同法律事務所で仕事をしています。私は、1993年(平成5年)4月に裁判官として任官し(45期)、その後退官してから在宅で法律関係の翻訳等の業務に従事してきました。女性・子供・家族の問題について専門的に活動したいと願って、2007年7月に弁護士登録し、女性共同法律事務所で仕事を始めました。

女性共同法律事務所への入所を決める前に、弁護士としての経験を積んでいる友人や知人にいろいろ相談しているうちに浮かび上がった家事事件に対する典型的なイメージは、はっきりしていました。重い、しんどい、できればやりたくない、と。すべての紛争の底にある人間関係のもつれが一番ストレートに出る分野なので、予想されたところでした。へそ曲がりなところのある私は、だからやりがいがあるんじゃないのか、と考えたのです。

弁護士として活動を始めてまだ日が浅いのですが、すでに予想外の発見がいくつかあります。大変な経験をした依頼者の方々なのですが、弁護士に相談する、という決断を実行している場面では、重い、しんどい、という部分は予想したほどには前面に出てきません。

何件か相談を受けているうちに、相談に来られる方達には、前に進む自信と覚悟があるという意味で、救いがあるということに気付きました。正社員、パート……形態はいろいろですが、社会で働いた経験のある方の率が意外なほど高いのは、自信と覚悟が持ちやすいからでしょう。相談の内容から、職業を持っているということは、離婚の原因になっているのではなく、離婚を選択した方が賢明な状況において決断できる立場にあるということだとも気付きました。

私は、問題があればすぐ離婚すべきだとは考えていません。完壁な人間は存在しませんし、人間にはやり直す力と可能性があると信じています。ただ、何事にも限界があります。やり直せる可能性もない中での極端な我慢は、メリットよりデメリットの方が大きいかもしれません。メリットとデメリットを冷静に判断して解決の道を探そうとしないのは自信がないから。女性共同法律事務所を訪ねる力のある方は、大きな苦しみや悲しみを抱えているのは事実ですが、その方達の意外なほどの冷静さと覚悟に接しながら、苦しみや悲しみをもっと大きく雪だるまのように膨らませている女性達の存在を考えてしまいます。

【「真面目ゆえの苦しみ」という発見】

そして、この自信がない、とは、経済的な自信がないということが一番大きい。社会経済的な男女格差の是正がなければ解決しにくい問題です。そして、この解決が、結局は、責任と特権を背負いすぎて壊れかけている男性の問題の解決にもつながり、さらには喜びも苦しみも理解し合える男女の真の信頼関係の構築につながるのではないでしょうか。

そして、真面目だから苦しむのだ、ということも発見でした。幼稚園児や小学生のおかあさんを体験した経験から、幼少の頃から深刻な暴力行為を起こしてしまう子には、夫の暴力行為を直視せず逃げる母親の存在があることが多いことに気付かされましたが、このような場合の母親は離婚を考えたりしないものです。子育てにまっとうな責任を感じているからこそ、苦しむことになるのです。

問題の背景は苦しくても、真面目で自信と覚悟のある依頼者と共に考えて、依頼者が自分で選んだと自覚できる出口を探す弁護士という仕事に恵まれた幸せを感じています。

どうぞよろしくお願いします。

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