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2007年01月30日
結婚・離婚世界の女性

異なる法制度における模索:比日国際結婚を事例に フィリピン共和国弁護士・大阪外国語大学大学院研究生 リアン・アイビー・Q・バスクワ

近年、国境を越えた人の移動に増加が見られる。移動コストが低下し、情報アクセスが得やすくなり、グローバリゼーションが移民を促進したことなどによるところが大きい。フィリピンは、世界でも労働力輸出大国である。日本が主要な行き先のひとつとして挙げられ、2004年には250,000人にものぼるフィリピン人が日本で生活している。

多くの移民が国を出るのは経済的理由からだが、受入れ国で生活する中で、その国の国籍の人と結婚することで溶け込もうとすることがある。日本でも見られる現象である。ある調査(2005年)によると、日本人の結婚の15組に1組は外国籍の人とのものだった。うち8%は日本人男性と外国人女性、主に近隣アジア出身女性との間の結婚であった。そこでは、日本人男性と中国人女性の結婚が最大数であったが、1992年から96年にはフィリピン人女性がそういった特徴を持っていた。

比日カップルが取り組まねばならない様々な社会問題については、多くのことが述べられている。それらは、こういった関係の力学を理解するのに大きく貢献しているが、彼・彼女らの直面しなければならない法的内容もしくは法的枠組みにも注意が向けられるべきだと私は考えている。日本にいるフィリピン人は、自分たちがここに居住しているということから、日本の法律が自動的に適用されるという間違った思い込みを持つ。しかし、これは必ずしも真実ではない。だからこそ、それが混乱を引き起こしている。かれらに自分たちの直面する法的問題を理解してもらうための支援をするためには、適確な法的解釈を当てはめる必要がある。

外国籍の人との結婚によってフィリピン人がその市民権を失うことはない。国外に住んでいても、家族としての権利・義務・地位・身分、そして法的能力には、依然としてフィリピンの法律が適用されるからである。

おそらく離婚が、比日カップルの直面する問題で、特に誤解を招きやすく困難なものだと言える。フィリピン人は国内でも国外でも離婚することが禁じられている。離婚するために海外に行っても、である。海外でのフィリピン人の離婚は効力を持たず、フィリピンの法域では認められない。フィリピンで離婚が認められる唯一のケースは、フィリピン人の夫もしくは妻に対して、外国人が離婚をした場合である。フィリピン人が日本で日本人配偶者との離婚を認められたという事例はいくつもあるようだ。しかし日本の裁判所で認められた離婚は、フィリピンの裁判所を拘束はせず、フィリピンでは有効ではない。フィリピン法の下では、日本で離婚したフィリピン人は依然として日本人の配偶者と結婚しているとされる。

こういった問題を回避するためには、比日両国の法律家が、比日国際結婚に影響を及ぼすそれぞれの法律を理解し、様々な婚姻関係の側面に適応する規則を定義した総体的な法的枠組み策定に努めなければならない。私はそのために、日本の法律家と対話や共同研究をしていきたい。

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