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2007年08月10日
平和・人権
有村 とく子

国民投票法をご存知ですか? 弁護士 有村 とく子

【憲法を変える法案の国会提出が可能に】

今、日本各地で日本国憲法9条を守ろうという草の根の運動が広がっています。それはこの9条を変えて、日本を戦争のできる国にしようとする動きが現実のものとなってきているからです。

今年5月14日の参議院本会議で、憲法改正の手続きを定めた「国民投票法」が成立しました。次期国会には衆・参両院に憲法審査会が設置され、3年後(2010年)にはこの法律が施行されますので、このときから政府が憲法を変える法案を国会に提出することができるようになるのです。

日本国憲法9条や国民投票法と言っても、日常生活と離れた政治の話と受け止められがちですが、そうではありません。憲法のどこをどう変えるのか、国民に知らされて投票するまでの期間はわずか60日から180日間で、肝心の最低投票率もこの法律には規定がありません。

憲法96条の第1項には、憲法を改正する場合の手順が定められています。それによれば、まず衆議院と参議院のそれぞれで、3分の2以上の賛成によって改正案が「発議」され、次にその内容を国民に提案して、国民の承認を得なければなりません。この承認には、特別の国民投票において、「その過半数の賛成を必要とする」とされています。「その過半数」というのが「有権者の過半数」なのか、「投票総数の過半数」なのか、「有効投票の過半数」なのか、憲法の条文だけからははっきりとしていません。

今回成立した国民投票法では、有効な投票総数(白紙投票はこれに含めない)のうち賛成が過半数を占めた場合に、憲法改正案を国民が承認したとみなすことになっています。最低投票率を定めていないので、たとえば、投票率が45%だった場合、有効投票率が85%であると、その過半数は、有権者全体を100とすれば45×0.85×O.5=19.125%となります。子どもを除く有権者のおよそ5人に1人の賛成で、憲法改正ができてしまいます。ひとたび憲法を変える法案が提出されると、みるみるうちに、戦争放棄を掲げた9条が戦争をできるものに変わってしまう危険が極めて高いのです。

【たくさんの人に知らせたい、大事なこと】

藤原紀香と陣内智則の結婚式はたいていの人が知っています。国民投票の危険な中身を知っている人はまだ少数です。そんな大事なこといつ決まったの?というくらい、この法律は私たち国民が関心を持ついとまも無いほどの異常な早さで成立しました。

大切に育てた子どもが、あるいは夫、恋人、兄、弟、いとこ・はとこ、甥が戦争に行ってしまう、それが現実に起きてしまうことを「べつにええわ。(別に構わないわ)」と思う人は、まずいないでしょう。この問題はマスコミで大きく報道されることがないため、私たちはその分、アンテナを張り巡らせて平和憲法を変えようとする動きに反対を唱えていく必要があると思います。(当事務所には国民投票法の問題点をわかりやすく解説したパンフレットを置いています。是非お手にとってお読みください。)

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