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2016年01月01日
子ども

リレーエッセイNo.29                       「居場所のない子どもたちのための緊急一時避難施設にご支援と暖かいまなざしを」                                     -NPO法人子どもセンターぬっく理事長 弁護士 森本 志磨子-

あけましておめでとうございます。本日は、お正月など行事のときが一番寂しいと話す、実家と思える場がない子どもたちのお話をします。

 

全国には、虐待、非行、その他家庭としての機能不全などにより、家庭に居場所がなく、今日寝るところが無いという子どもがいます。特におおむね義務教育を終えた10代後半の子どもたちに生活全般を保障する制度がほとんどなく、ネットカフェや友達の家を転々としたり、野宿生活を強いられている子どもが現に存在しています。具体的には、虐待等で家庭での適切な養育を受けられない子どもたちに生活の場を提供する児童養護施設は、非行傾向のある子ども、中卒や高校中退した子ども、全日制の高校に通っていない子どもなどは受け入れが困難です。非行や家庭環境上の課題を抱える子どもたちに分校での教育と疑似家族との生活の場を提供する児童自立支援施設は、妊娠中の女子や義務教育を終えた高校生年齢の子どもなどは受入が困難です。少年院送致となった子どもで、仮退院できる時期になっても、家庭の受け入れ拒否等により仮退院先が見つからず、仮退院先が見つかるまで半年や1年という長い月日を院内で過ごすという事態も起きています。

このように制度のはざまに落ち込み、居場所がない子どもたちには、生活全般を支える緊急一時避難の場が必要です。また、未成年者であることから親権者との関係調整は必須であり、将来にわたって二度と制度のはざまに落ち込まないように、関係者が連携して途切れのない支援を実現していく必要があります。そこで、信頼できる大人スタッフが常駐するとともに、子ども一人ひとりに子ども担当弁護士がつき、一人や一機関で抱え込むことなく福祉・法・医療・教育・心理等の関係者と連携して対応する子どもシェルターが、2004年東京において設立されました(カリヨン子どもセンター)。現在、休止中のところを含め、12の都道府県で運営されています。

子どもシェルターにたどり着く子どもたちの実情は極めて深刻です。カリヨンでの2012年の実態調査によれば、最多年齢は17歳、中卒や高校中退者は3割、虐待暴力経験者は記録上明らかなものに限っても8割、中学に入学するまでに実親と離別した経験のある者は5割、精神科やカウンセリングへの通院を要する子どもが3人に1人、他の施設を入所した経験のある者は4割に達しています。大阪も、生活保護受給率が全国平均を上回るなど深刻な貧困状態にあります。全国の児童虐待通告総数の1割以上が大阪で、児童相談所の一時保護所への入所数も全国総数の1割を超え、常に定員超過状況にあります。高校中退率や不登校率や性被害発覚数も全国ワースト1位です。性風俗産業が居場所のない女子の受け皿になっている実態もあります。

 

そこで、2014年5月より大阪においても子どもシェルターを設立すべく、弁護士や民間のNPOスタッフや児童福祉関係者らなどが集まって準備を始め、翌年9月にはNPO法人として子どもセンター「ぬっく」の設立認証登記を終えました。今年の春には、子どもシェルター「ぬっくハウス」の開所を予定しています。「ぬっくハウス」では、おおむね10代後半の女子を対象に、定員は6名、信頼できる大人のスタッフが常駐して生活をともにします。また、前記した子ども担当弁護士がつきます。子どもたちには、家庭的雰囲気のある一軒家で、個室があり、暖かい手作りの食事や団らんなどごく普通の安心・安全な生活を保障します。期間は数日から2カ月程度です。なお、安全のため、原則携帯は預かり、外出には大人が付き添います。

もっとも、子どもシェルターの運営を開始するまでにも困難の連続で、その後も困難が予想されます。一つは、資金面での困難さです。行政からの措置費では不十分で毎年400万円くらいの赤字が見込まれます。2つ目には、暖かなまなざしで子どもと対等な関係を築ける質の高いスタッフの確保です。3つ目は、子どもたちの退居先の確保です。

それでも、子ども時代の課題を積み残したまま中高年となった刑事被告人らの深い孤独や自分を守るために築き上げた頑な心や態度などを目の当たりにする一方で、複雑困難な課題を抱えつつも信頼できる大人との出会いから劇的に変化していく10代の子どもたちとも出会うことで、やはり10代のうちに信頼できる大人が寄り添う中で心身をゆっくり休めてその健康を取り戻し、そのうえで適切な支えを得ながら自らの課題と向き合い将来を描いていく機会をもつことはとても大切なことだと思うのです。効率は悪くとも困難は多くとも、たくさんの大人が暖かいまなざしで関わることで、冷え切った子どもの心がじわじわっと暖まっていき、希望が生まれていくものと信じています。ぜひ皆様にも子どもセンター「ぬっく」への暖かいご支援と地域での暖かいまなざしをお願いします。

 

「ぬっく」への暖かいご寄付をお願いします
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特定非営利活動法人 子どもセンターぬっく
トクテイヒエイリカツドウホウジンコドモセンターヌック

 

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