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2013年08月26日
結婚・離婚性差別・ジェンダー
有村 とく子

婚活の夏?   弁護士 有村 とく子

【婚活需要の背景に横たわる「女性の貧困」】

大きな文字で目を引く「関西で婚活」。紙面の3分の1頁を占める広告が載ったある日の朝刊を、母が取り置いてくれていました。大阪の名だたるホテルで催されるお見合いパーティーの案内(宣伝)です。

A「30代メイン婚活」、B「40代メイン婚活」、C「シニア婚活」、D「ロイヤル婚活」、E「エグゼクティブ婚活」とコースが分かれていて、参加費や参加資格も違います。A、B、Cの参加費は男女とも1万円ですが、DとEになると、女性の方が1万5000円、1万8000円と男性よりも高く設定されています。D・Eのコース、男性の参加資格は、40代後半〜68歳、年収600万円以上、医師・弁護士・公務員・大学教授・2代目経営者です。

ここまで明白な振り分けがされるとは驚きです。結局、男性に求められるのは収入や学歴・社会的地位の高さ、女性に求められるのは相手男性の年齢よりやや低めであることよ、と言うに等しいとも読め、女性にも男性にも失礼な話ではないかと苦々しい気持ちになりました。

けれども、こうした婚活需要の背景には、「女性の貧困」の問題が横たわっていると思えてなりません。私たちの親の世代はまだ、夫が働き妻は家事育児に専念するというスタイルの生活が割と普通に営めていたようです。ところが今や、男性の働き手までもが不安定で低賃金の非正規労働を余儀なくされる時代です。超がつくほどの高収入の人には低い税率が適用される一方で、最低賃金はなかなか上がらないのに消費税率は上がっていき、真面目に働いても暮らし向きが豊かにならない人がたくさん、そういう厳しい格差社会となっています。

【生きづらい社会は「やっぱりおかしい!」】

これまでも社会的・経済的に弱い立場に置かれてきた女性にとって、今は一段としんどい状況になっています。自立を果たそうと頑張っても、就職事情は厳しく、賃金はたいていが働きに見合ったものでなく、安心して産前産後休暇をとり働き続けられる職場はそう多くはありません。保育所もすぐには見つからず、子育てを支援する環境が整っていないと、働くことすらままならないのが現状です。

そんな中、少しでも生活の安定を求め、結婚相手を見つけなくちゃ、と思いつめて、婚活する女性が増えていくのも無理からぬことでしょう。将来が安定すると思えば、先の「コース別」参加費にもかかわらず申し込む女性はいるはずだと、このような宣伝をして利益獲得を目指す企業が出る所以です。

婚活で良い出会いがあればそれはそれでラッキー。そうでなくたって、今のような生きづらい社会を、私たちは「やっぱりおかしい!」と怒り、口に出してその怒りを共有し、そして「かくあれかし」と提案し続けることが大切だと思います。

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