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2012年01月30日
DV
有村 とく子

全国シェルターシンポジウム in 仙台に参加して 弁護士 有村 とく子

【シンポ実現に向けた多くの人の熱い思いが伝わった】

昨年11月19日と20日の2日間にわたり、「全国シェルターシンポジウム」に参加してきました。毎年開かれるこの集まりは、全国女性シェルターネットというDVや性暴力根絶のための活動を行っているNPO法人と、開催地で立ち上げられる実行委員会が主催しています。今回の開催地は、東日本大震災の被災地である仙台でした。仙台は、「みやぎ女性復興支援ネットワーク(略称:みやぎジョネット)」の事務局所在地でもあります。

みやぎジョネットは、東日本大震災を受け、被災地女性と全国支援者の思いを結ぶことを目的とするボランティア団体です。全国から送られてくる支援の品々を組み合わせた「ジョネット・セット」を被災女性に届けたり、各被災地に出向いて、お茶会、手工芸、ハンドマッサージ、ネイルサロンを開くなど、女性たちの憩いの場所づくり(サロン活動)や、政策への提言を視野に入れた被災女性のニーズの調査等をしておられます。

今回のシンポは、開催そのものが危ぶまれていたなか、みやぎジョネットの皆さんをはじめ、ご自身も被災者でありつつ、被災女性の支援に取り組み、シンポジウムの開催準備にあたってこられた地元実行委員の皆さんの熱意と努力によって実現されたものです。実際に参加してみて、シンポ実現に向けた多くの人たちの熱い思いが伝わり、根気強くひたむきな支援活動をされている多くの方々の存在を知り、強く心を打たれました。自分が被災したときに、これほどまでに献身的な活動ができるだろうかと。

同時に、被災女性や子どもたちへの支援のありかたや、災害は人ごとではない、いざ直面したときに、どのように助け合い支え合えば良いかについて考える、貴重な機会を得ることができました。

【日常的な男女平等意識の推進や、発想の転換が必要】

この2日間で強く印象に残ったことのひとつめは、「被災」という非日常状態での社会は、保守化し、性別役割分業が強化され、避難所でも嫁役割が奨励され、女性たちはケア役割に引き戻されたという、県内のすべての避難所を見てこられた女性の言葉です。女性や子ども、障がいのある人、妊産婦等、弱い立場に置かれた人の心身の健康が後回しになりがちであるという実態も報告されました。日常的に男女平等意識が推進されていないと、災害時は閉鎖的家父長制の意識が支配するということは実際に被災地支援に当たってこられた女性たちの共通する認識のようです。

ふたつめは、「災害時に取り残される人を救う」ということから、「災害時に困難を抱える人を生み出さない」という方向に、発想の転換を図ろうという提言です。今やどこに住んでいても、災害に遭う可能性があります。災害時に備えて、避難所の仕切り、男女更衣室、トイレの設置配慮について明記した避難所運営マニュアルを今から準備しておくこと、そのマニュアルに、避難所の運営に問題がないか、外部からチェックが入るシステムや意見を表明しやすいシステムを導入することを明記しようという提案も、なるほどと頷けました。

今後も、被災地のとりわけ声を上げづらい状況にある女性や子どもへの支援が、息長く続けられることが大切だというお話もありました。遠くにいる人に思いを馳せつつ、自分の身近にいる人、関わりを持っている人たちを大事にすること、そうやって優しい気持ちを広げていくことも、支援のひとつの形ではないかと思います。

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