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2011年01月30日
DV
髙坂 明奈

第13回全国シェルターシンポinくるめに参加しました! 弁護士 髙坂 明奈

【~はじめてのシェルターシンポ・一日目~】

会場に到着して、すごい人だな?というのが初めの感想でした。一日目の全体会があった石橋文化ホールは1000人以上の人を収容できるホールらしいのですが、座席はほぼ埋まっており、DV根絶という同じ志を持った人が全国からこれほど集まるということに大きな感銘を受けました(後日、1800名を越える参加者であったことがわかりました)。

一日目は、ランディ・バンクロフト氏の基調講演「DV加害者の実態を知る」と後半は、バンクロフト氏、呉英蘭氏(釜山女性の電話会長)、沼崎一郎氏(東北大学大学院教授)をシンポジストとして「加害者責任のあり方を考える」というシンポでした。

なぜ、加害者対策を考えないといけないのかについて、バンクロフト氏は、「川に立っていて赤ん坊が流れていくのを見たあなたは、助けなくてはならないので赤ん坊を川から抱きあげるが、助けても次から次へ赤ん坊が流されていく。それなら、あなたは、川の上で何が起きているのかを見なければならない。もし加害行為を阻止することに努めなければ、今の状態が100年以上あるいはそれ以上継続され,加害行為によって被害を受ける情勢が次々と存在し続ける社会になる。」とおっしゃっていました。

では、どうすることが加害者対策になるのか。バンクロフト氏は、加害者更生プログラムが有効な手段となるためには、加害者が責任を負うような法的手段が不可欠で、逮捕直後に更生プログラムに通うようにしなければならないし、更生プログラムに参加しない場合には自動的に刑務所に行くようにしなければ効果は表れないと言います。そして、プログラムに13週間参加した場合も、26週間参加した場合も大きな差はなく、200週間くらい通わなければならないと言います。確かに、十年以上も家庭でDVが継続されているのに、それが一年や半年の更生プログラムで改善するとはとても思えませんし、DV夫の自主性に任せておいて、継続してプログラムに参加するとは思えません。なるほどと、納得させられるお話でした。

【~二日目~】

二日目は、午前中の分科会は「DV家庭の子ども達の救援と支援」、午後の分科会は「セクシュアル・マイノリティの受ける暴力被害」に参加しました。被害者がセクシュアル・マイノリティの場合、DVが単なる喧嘩と受け取られたり、そもそも被害者が相談することができず被害が発覚するまでに時間を要し、通常のDVよりも被害が深刻になることがあります。具体的に、どのような支援を行うことができるのかに関心があり、午後は上記の分科会に参加しました。分科会では、まず、最初に性の多様性に関するビデオを見ました。そして、その後「今、何が必要か」というテーマでグループワークをしました。その中で多く挙がった意見が「正確な情報」「教育」でした。

私も、弁護士になるまではLGBTってなに?という感じでした。支援者の中にも正確な知識がない人がまだまだ多いと思います。結局、分科会では、具体的にこのような支援ができるという提示や提案はなく、セクシュアル・マイノリティが置かれている現状を知った上で明日出来ることを考えて欲しいというメッセージで終わりました。

【~シェルターシンポを通じて感じたこと~】

バンクロフト氏は、シンポのまとめで、若い世代への予防教育の必要性を説かれていました。幼いころに暴力を見て育つと加害者になる可能性が上がり、暴力を見て育った女児は被害体験を持つ可能性が上がるという話でした。また、沼崎氏も暴力的でないからかっこいいという非暴力教育が必要だと話されていました。韓国では、性暴力予防教育が義務付けられているそうです。日本でも同様の教育が必要です。また、誤った情報が氾濫しているので、自身が傷付かず、他人を傷つけないために性的マイノリティの教育も必要だと思いました。非暴力教育の実施は、日本の急務だと思います。

初のシェルターシンポ参加でしたが、シンポを通じて新たな気づきがあり、有意義でした。来年も是非参加したいです。

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