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2010年08月30日
結婚・離婚性差別・ジェンダー

家族で「無形の共有財産」を築こう スーパー主夫 山田 亮

スーパー主夫として全国あちこちで講演していると、ほぼ毎回のように質問を受ける内容があります。それは「夫や息子、彼氏に家事を上手にすすめるにはどうしたらいいか?」ということです。

この答えには困ります。本当はケースバイケースで、万人に当てはまる方法などないからです。ただし基本は同じだと答えています。それは、相手をよ<観察しどうすすめればよいかを見付け実践することです。実は、このよく観察する姿勢があれば、自然に方法は見付かるものです。関係がうまくいかないケースは、たいてい一緒にいても視線を向けていません。最近流行の脳科学の分野では、「好きだから見るのではなく、見るから好きになる」という報告があるくらいです。まずは観察から始めてみてはどうでしょうか?

僕は、男性の家事育児参画はあくまでも手段だと位置づけています。本当に大切なことは、家事や子育てを共同することで「キレイになったなあ!」「(赤ちゃんが)立った!」などと共感し合うことです。共感し合う力が、人と人とのつながりを築く基盤になるからです。ですから、家事分業ではなく、家事共同して欲しいのです。共同することがないから、情報共有が出来ずコミュニケーションが成り立たなくなる。コミュニケーションがないから当然共感し合うこともないのです。

一昔前なら、共同の場面は必然のこととして残されていました。家族総出で農作業をしたり、子どもが店の配達を手伝ったりして、家の仕事を通してでも共働する機会がありました。ところが今は、家族総出で働くという機会は珍しくなっています。ですから、敢えて共同する機会を設けないと、家族といえどもすれ違いばかりになってしまいます。そうした時、どうせ誰かが片付けないといけない家事が毎日そこにあるのなら、みんなで共同してみてはどうかと思います。毎日毎日、共同できるネタが家の中にはあります。そのチャンスを得られるのは、一緒に往む人に与えられた特権です。

経験を共有して一緒に楽しんだりー緒に感動することを、僕は「無形の共有財産」と呼んでます。物質的には豊かであっても、なにか物足リなかったり、フトしか時に孤独を感じるのは、この共有財産が不足しているからかもしれません。近しい人と経験や気持ちを共有できてこそ、また、共有できると信じられるからこそ、豊かな暮らしと言えるのではないでしょうか?

中には、単身赴任になったり、身体の調子が悪くて仕事も家事もできないという人もいると思います。それでも、この共有財産を築く意識があれば、どんな方法でも実現できます。

是非、できることからで良いので、家族と家事や子育て、介護を共同してみましょう。きっと会話が戻ってくるはずです。そして、いいこともしんどいことも共有し合い、共感し合える家族の形になってほしいと願っています。

 

著者プロフィール

1967年香川県高松市生まれ。大阪市立大学商学部卒業後、楽器メーカーRolandに営業職として就職するも1年で退職。その後、さまざまな仕事を転々としながら、佛教大学通信教育課程社会福祉学科卒業。1998年当時大学助手だった妻と結婚。主夫をしながら佛教大学博士課程に進学。01年、長女が誕生。HP上で綴った家事・育児記録が新聞社の目にとまり“スーパー主夫”として連載開始。大学や専門学校で家族社会学、社会福祉学の教鞭をとる傍ら、全国の自治体や企業などで男女共同参画、ワークライフバランス、子育て支援についての講演を行っている。著書に『プロ主夫山田亮の手抜き家事のススメ』(宝島社)がある。妻・娘(9歳)と京都市在住。

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