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2010年01月30日
平和・人権本の紹介
雪田 樹理

『人権で世界を変える30の方法』の勧め 弁護士 雪田 樹理

【「名誉殺人」について執筆】

国連で1948年に、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」という世界人権宣言が採択されてから、60年余り経過しました。しかし、今なお世界中で、この日本で、人権侵害が絶えることなく引き起こされています。

そんな現状を前にして、国境を越えて、国内外の人権の保護促進に取り組もうと、2006年夏に日本で誕生した国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」(HRN)が、昨年6月、『人権で世界を変える30の方法』という本を出版しました。私もHRNの「女性に対する暴力プロジェクトチームの一員として、「名誉殺人」について執筆しました。

「名誉殺人」とは、女性が親の意思にそむいて自分で結婚相手を選んだり、夫以外の男性と親しくなったり、夫と離婚しようとした場合に、父親や兄弟、夫、叔父によって「家族の名誉を守るために」女性が殺される慣習です。世界中で年間6000人を超える女性が殺されていると推定されています。拙文では、深刻な人権侵害である名誉殺人の実態について紹介するとともに、日本を含め、世界中で発生しているDVや性暴力などの女性に対する暴力の根絶に向けて、世界各国が動き始めていることを伝えました。

 

【この本のあらまし】

『人権で世界を変える30の方法』の第1章では、「いま、世界でおきている人権侵害」と題して、名誉殺人のほかに、戦争、児童労働、エイズ、ビルマの軍事政権、大規模開発のための強制立退で住む家を奪われる人々、「反テロ」対策の名による人権侵害、ジェノサイドについて紹介しています。

第2章では、「人権侵害はなぜおきるの?人権とはなにかを考える」と題して、人権とは何か、どんな人権が保障されているのか、人権侵害を引き起こす原因は何かについて述べています。

第3章では、「世界を変えた人たちの行動」として、世界人権宣言を起草した女性エリノア・ルーズベルトのこと、反アパルトヘイト運動、対人地雷禁止、人身売買からの少女の救済、児童労働でサッカーボールやスニーカーを製造していたナイキの労働環境を抗議行動や不買運動で改善させた取り組みを紹介しています。そして、第4章では、「人権侵害をなくすためのしくみ」として、国際人権条約や国際刑事裁判所、多国籍企業の責任、企業の社会的責任(CSR)を学びます。

最後の第5章では、「身近なところから、知る・伝える・行動する」と題して、私達一人一人が人権侵害をなくすためにできることは何かを具体的に述べています。まずは、情報を「知る」こと、そして知ったことを「伝える」こと。様々なNGOのことを知り、自分のできる範囲で参加することなどが考えられますが、普段の生活の中で、一人でできることのヒントも書かれています。

 

【日常生活の中でできること】

私自身、参考になったのは、世界には、人権侵害にかかわっている企業を監視する機関やNGOのウェブサイトがあり、4000を超える企業の人権問題に関する情報が毎日更新されていることや、「世界不名誉の殿堂」としてインターネット上で不名誉な企業が毎年12社選ばれていること(日本企業ではトヨタ社が7番目)、また、世界には人権侵害や環境破壊・非人道的な武器の製造にお金を融資している金融機関を監視するNGOがあり、日本でも環境や社会に配慮した金融機関に預金の預け換えをするキャンペーンが行われているということです。

さらに、買物をする際に、フェアトレード(公正な貿易)による商品、すなわち、商品の生産者に人間らしく暮らすための適正な賃金が支払われ、製品が直接フェアトレード団体によって取引される仕組みによって輸入された商品を購入するように心がけることも、日常生活の中でできることでしょう。もっと詳しく知りたい方は、是非、ご一読ください(1300円 合同出版)。

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