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2009年01月30日
子ども

高校で出張授業をしました 弁護士 髙田 和加子

【アルバイトに関する法律問題】

「こんにちは!!」広大な敷地を抜けて校舎に辿り着いた途端、あちこちの窓から子ども達の元気な声が聞こえてきました。

私は今年の夏、弁護士として、大阪府内のとある高校に派遣され、1時間の出張授業をさせていただく機会を持ちました。これは、大阪弁護士会の法教育委員会のメンバーである弁護士が、大阪府内の各学校からのリクエストに応えて、法律に関するテーマの授業をさせていただくという取り組みの一環です。テレビの法律番組や来年5月から実施される裁判員制度の影響からか、この派遣への依頼が年々増加しているそうです。

さて、私が依頼を受けた授業のテーマは、「アルバイトに関する法律問題」でした。法律問題といっても、もちろん、授業を受ける生徒さんは高校1年生ですから、こむつかしい専門用語を並べて説明するわけにはいきません。その高校では、アルバイトをしている生徒さんが多いと事前に聞いていましたので、仕事の体験談など色々聞きながら、何かひとつでも頭の片隅に残るような授業ができたらいいな、と思いつつ、担当の教室に向かいました。

どういうわけか、案内された教室は、グランドピアノのある広い音楽室でした。子ども時代、ピアノが大好きだった私は、よく音楽の授業で合唱の伴奏をしていたので、反射的にピアノの椅子に腰掛けようとしてしまう自分にはっとして、グランドピアノを背にし、生徒さんたちへのご挨拶を始めました。皆さん、とっても元気な生徒さんたちで、私の自己紹介の感想を仲間と言い合いながら楽しく聞いてくれているようでした。ちなみに、音楽室が選ばれたのは、他クラスと合同で実施するため、収容人数の多い教室が必要だったからだそうです。

【「法」が大人だけの学問でなくなる時代に】

そして、肝心の授業のほうですが、まず、アルバイトをしている生徒さんたちに挙手をお願いすると、予想に反して、僅か数名だけでした。それもそのはず、高校1年生の夏休み前ということで、おそらく生徒さんの多くはその夏休みに初バイトに行くことになるのでしょう。そのため、生徒さんたちは、まだあまりアルバイトと言われても実感がないようでした。そこで、憲法の条文を読んでもらったり、アルバイト先で困ることが出てきたらどうするか一緒に考えてもらったりして授業を終えました。やはり興味関心を引きながら法律の話をするのは本当に難しいと感じました。昔、法学部の教授から、「法律なんていう学問は、大人のするもんや。君ら1回生にはまだその面白さはわからんかもしれん。」と言われたのを思い出します。たしかに、私がこの生徒さんたちの立場なら、見知らぬ弁護士が来て法律の話をされても、弁護士という職業に対する興味は湧いても法律そのものにはそれ程関心を抱けなかったかもしれません。

とはいえ、今年の3月、小中学校の新学習指導要領が告示されて、その中になんと「法教育」が盛り込まれたそうです。「法」はもはや、大人だけの学問ではなくなる時代が来たということでしょうか。「法教育」の授業を通して、未来の日本を担う子どもたちに、法制度の目的・理念や適正な紛争解決の方法、裁判員制度を始めとする司法参加の意義について学習してもらうことが決まったのです。子どものうちから自分の頭で、身近な問題について、正義や公平、ルールのあり方を考えるという癖をつけるというのはとても素晴らしいこと、早期教育の重要性を改めて感じます。

話は戻り、先の授業では、指導要領の望むような深いものはなかなかできませんでしたが、次回、また学校に呼ばれた際には、生徒さんに若い瑞々しい感性でもっと考えてもらえる楽しい授業にできるよう、教材研究に努めていきたいと思います。

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