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2006年01月30日
仕事・労働
宮地 光子

間接差別の実効ある禁止を! 弁護士 宮地 光子

男女雇用均等法が施行されて早や20年が経過した。しかし女性たちをとりまく労働環境は厳しくなるばかりである。

均等法施行を契機にして、大企業を中心に「男女別雇用管理」を「コース別雇用管理」に置き換えて行く動きが相次いだ。長時間労働をこなし、辞令一つでどこへでも転勤するという「男並み」の働き方が「総合職」という名前をつけられ、女性にも「応募のチャンス」が与えられた。しかし男性の働き方をそのままにしての「機会の平等」は、ひとにぎりの女性の登用と引き換えに、多くの女性たちを「一般職」や「パート・派遣」に追いやった。そして企業は、女性たちが「一般職」や「パート・派遣」などの低賃金労働に据え置かれるのは、「総合職」に採用される「能力」がないからであって、「性」による差別でないと開きなおる。

しかし女性を排除する際に企業が持ち出す「能力」は、家庭生活を犠牲にしても企業に奉仕しうるという「能力」であって、本当の意味の能力ではない。だからこそ「残業ができない」「転勤ができない」などといった口実をつけて、企業が女性差別を「間接的」に合理的することを許さない法律が必要である。しかし現在の均等法では、女性であることを理由とする「直接差別」は禁止されていても、性が直接の理由にならない「間接差別」は明文では禁止されていない。そのため日本政府は、国連女性差別撤廃委員会から、「間接差別の定義を国内法に盛り込む」ことを勧告されているぐらいである。

このような「外圧」を受けて、厚生労働省は均等法の改定作業を準備中であり、今年の通常国会には、改正案が出される予定である。そしてこの改正案に「間接差別の禁止」が盛り込まれるかがどうかが、大きな争点となっている。均等法に「間接差別の禁止」が盛り込まれれば。総合職の転勤要件なども「間接差別」にあたるかどうかが問われることになる。

しかし単に「間接差別の禁止」が均等法に盛り込まれれば、それですべて問題が解決するわけではない。間接差別が「限定的」にしか禁止されなかったり、間接差別にあたるか否かを判断する「合理性・正当性」の基準が「企業効率」一辺倒であっては、せっかく間接差別を禁止しても、企業の雇用管理をそのまま認める結果になってしまうだろう。

「間接差別の禁止」が骨抜きにならないように、均等法改正に対して声をあげていくことが、今求められている。

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