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2005年08月10日
仕事・労働本の紹介
宮地 光子

「男女賃金差別裁判ー『公序良俗』に負けなかった女たち」を刊行して 弁護士 宮地 光子

働きながら会社を相手に裁判をするというだけで、大変な勇気のいることである。しかも世の中に広く当たり前のように行われている事柄に、異を唱えて裁判するのは、さらに勇気のいることである。

その大変なことに、エィと立ち上がり、敗訴を乗り越え勝利和解をおさめた女性たちの記録集をこのたび刊行した。題して『男女賃金差別裁判一「公序良俗」に負けなかった女たち」(明石書店)である。

彼女たち5名が取り組んだのは、住友電工・住友化学の性差別訴訟。「均等法実践ネットワーク講座」という、草の根の女性グループや労働組合の女性たちに呼びかけてつくった講座に、彼女たちが参加してきたのが、もう十数年も前のこと。そこで彼女たちは、企業の中で当たり前のように行われている女性差別も、女性たちがノーと言って立ち上がらない限りなくならないと学ぶ。そして1994年1月、彼女たちは「日本からの手紙」というレポートを携えて、ニューヨークで開かれた国連・女性差別撤廃委員会を傍聴した。日本の企業の中では、会議に出席することすら許されなかった彼女たちだが、国際社会では「経済大国日本から、働く女性の差別を訴えに来た人たちがいる」と紹介され歓迎された。

この体験が彼女たちの原点となった。1995年8月に提訴。彼女たちの裁判を支援するために、ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)という草の根の女性たちのネットワーク組織もでき、さらに国際活動を推し進めた。

しかし2000年7月と2001年3月に相次いで敗訴。男女別の雇用管理も、昭和40年代の「公序良俗」には反しないから、企業には責任がないという不当判決だった。しかし彼女たちは、挫けなかった。そして挫けなくて良かった。

2003年12月、住友電工事件を担当する大阪高裁の井垣敏生裁判長は「国際社会においては、国際連合を中心として、男女平等の実現に向けた取組みが着実に進められており……」で始まる感動的な和解勧告文を提示して、企業には女性たちの昇格の実現と解決金の支払いを、国には「雇用管理区分」ごとの均等法行政に再考をせまり、和解を成立させた。そして半年後、住友化学訴訟もこの住友電工事件の和解に触発されて和解が成立した。

あなたのすぐそばにいる普通の女性が、なぜ裁判に立ち上がり、そして国際社会に飛び出せたのか。そして敗訴にも挫けなかったのか。裁判して何が良かったのか。その答を見つけるために、是非『男女賃金差別裁判一「公序良俗」に負けなかった女たち』をお読みください。(事務所でも販売しています、)

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