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ニュースレター

2015年07月22日
事務所関連

入所のごあいさつ 弁護士 和田谷 幸子

【弱い立場の人たちに寄り添う弁護士を目指して】

はじめまして。このたび、パートナーとして女性共同法律事務所に入所いたしました、弁護士の和田谷幸子(わだたに さちこ)と申します。外からは見えにくい家族が抱える問題を解決したいとの思いから弁護士を志し、実務家として5年間、様々な事件や委員会活動に取り組んで参りましたが、より専門的で先進的な知見に触れたいとの思いを強くし、女性共同法律事務所にて執務することになりました。

私は、弁護士登録前から、女性共同法律事務所とのお付き合いがあり、いつか自分も女性や子どもといった弱い立場の人たちに寄り添う弁護士になりたいと思っていました。そして、弁護士登録後は、女性共同法律事務所の弁護士と同じ委員会に所属したり、性暴力救援センター大阪(SACHICO)の協力弁護士として一緒に事件を担当する等、共に活動してきました。そうしたなか、弁護士6年目を迎え、ご縁あって女性共同法律事務所に参加する機会に巡り合えたのは、私にとってとても嬉しいことでした。

 

【なりたい自分を目指せる社会創りの一翼を担いたい】

近年、女性や子どもの権利に少しずつ光が当てられるようになりましたが、母子家庭における貧困はいまだ深刻な状況です。母子家庭では、母親の約8割が就労していますが、その平均的年間就労収入は181万円であり、同じひとり親家庭である父子家庭の父親の平均的年間就労収入360万円の半額しかありません。両者の収入にこれだけの差が生じるのは、シングルマザーの多くが非正規雇用であること等が原因ですが、そのおよそ半数は預貯金額が50万円未満で、母子家庭がいかに経済的に厳しい状況にあるかが分かります。加えて、離婚後の母子家庭の多くは、父親から十分な養育費を受け取ることができていません。養育費を継続的に受け取っている母子家庭は2割未満で、その平均月額は約4万3000円と低額で、そもそも養育費を受け取ったことのない母子家庭が6割を超えています(いずれのデータも厚生労働省「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」より)。

本来、養育費とは、離婚後も子どもが父親と同居していた場合と同程度の生活ができるよう保障するための費用です。しかし、現在の家庭裁判所が採用する養育費算定表(方式)では、その理念が徹底されず、養育費が低廉な額に抑制されており、母子家庭の貧困を助長しているとの指摘もあります。このように、母子家庭の貧困は極めて深刻な状況であり、貧困はそこで生きる人たちの人格や将来に影響を及ぼすだけでなく、次の世代に連鎖します。そして、それを個人の努力で克服するのは至難の業です。私は、個人が、その性別や生い立ち、養育環境に左右されることなく、なりたい自分を目指せる社会創りの一翼を担えるよう精進したいと考えています。そして、日々の業務においては、依頼者の方に寄り添い、一人一人の人生がより良い方向に進むようベストを尽くしたいと思います。

時代の流れと共に、弁護士業界を取り巻く環境も大きく変わってきていますが、女性共同法律事務所が、これから10年、20年先も変わらず、「女性たちの駆け込み寺」として頼れる存在であり続けるよう、事務所の一員として頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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