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2015年07月22日
平和・人権
有村 とく子

憲法を知らない大人たちの暴走にストップを 弁護士 有村 とく子

昨年7月1日、安倍政権は、日本国憲法9条を無視して、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いました。さらに、この閣議決定を具体化するものとして、今年5月14日には、「国際平和支援法」という新しい法案と、すでにある自衛隊海外派遣やアメリカ軍を支援する法律10本を「一括法」(平和安全法制整備法)として1本にまとめ、合計2本の法案を閣議決定し、15日に国会に提出しました。これらは、自衛隊を戦地に派兵し、武力の行使を行えるようにするための、憲法違反の法案です。

ポツダム宣言の内容はよく知らない、と答弁した安倍首相は、「戦争を知らない子供たち」世代の私たちのことを、「憲法を知らない子供たち」と思っているのでしょうか。条文全部は知らないまでも、憲法9条は今や誰もが知っています。この70年間、日本政府が海外に軍隊を出せなかったのは、憲法9条という縛りがあったからだということも。今の政府が「国際平和支援」とか「平和安全法制整備」という字面を使ってごまかそうとしても、そう簡単に国民を騙すことはできません。政府が閣議決定したこれらの法案は、平和憲法を踏みにじる「戦争法案」そのものです。声を大にして「絶対あかん!」と言いましょう。

 

【戦争法案の危険性】

今国会に提出された「戦争法案」は、いつでも、どこでも、あらゆる軍事行動に、アメリカ軍と一緒に自衛隊が参加できることにする、というものです。

ひとつめの「国際平和支援法」は、「目的」の第1条に「諸外国の軍隊等に対する協力支援活動を行う」とあります。諸外国の軍隊が行っているのは「戦争」であり、それに対して「協力支援活動を行う」というのですから、内容は「戦争支援法」です。ところが、この活動を「国際平和共同対処事態」と名づけることによって、「平和支援」のための法律だというのです。物は言いようやな、と感心している場合ではありません。この法案は、「いつでも」自衛隊を海外派兵することを可能にするものなのです。

また、現行の「周辺事態安全確保法」の「周辺事態」を削除する改定がなされようとしています。そうなると、朝鮮半島に戦争が起こった場合(=有事)という要件が取り払われるため、アジア・太平洋どころか、世界中どこでも自衛隊を派兵することが可能となります。これが「重要影響事態安全確保法」です。「重要影響事態」とは、この法律の「目的」によれば、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至る恐れのある事態」と定義されているので、我が国に対する直接の武力攻撃がまだ発生していなくとも、そのときの政府が「恐れのある事態」だと判断すれば、「米軍等を支援」することができてしまいます。

さらに、これらの法制においては、アメリカ軍をはじめとする他の国の軍隊が「現に戦闘を行っている現場」を除くところまで、自衛隊の活動範囲を広げるため、これまで「非」戦闘地域にしか自衛隊を派遣してはならないという縛りをなくしてしまいます。そうすると、弾薬を提供したり、戦闘準備中の航空機への給油もできるようになり、結局、自衛隊が外国の軍隊とともに戦争に突入していくことになります。

そして、「武力攻撃事態対処法」の改定として、「目的」に「存立危機事態」を追加し、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」には自衛隊の武力の行使ができる仕組みとなっています。

中身を知れば知るほど恐ろしい戦争法案です。私たち国民がきっぱりと反対の意思を表明しなければ、安倍内閣の暴走は止まらず、日本国憲法があっても、9条が現に存在しても、自衛隊が外国に出かけて行って他の国と一緒に戦争をしに行くことが出来てしまいます。

「平和」の名のもとに、殺し合いが正当化されてしまうなんて、やっぱりおかしい。そういうシンプルな生活感覚で、憲法を知らない、いえ、知っているのに存在しないもののように扱おうとする大人たちにオールを預けるわけにはいきません。戦争法案の内容をより多くの人に知らせ、反対の声を大きく上げて、この危険な動きを食い止めていきましょう。

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